「タワマン節税」は抜け穴に過ぎない
そもそも、なぜタワマンが税制面で優遇されているのでしょうか。
結論から申し上げますと、優遇されているのではなく、単に制度ができた時にタワマンがなかったので、現在になって抜け穴が生じているというだけの話です。
日本では戦後ずっと住宅難の時代が続きましたが、その時代に土地を遊ばせておくのは非効率だということで、空き地に住宅やアパートを建てたほうが節税になるという税制が求められたのです。
それから時を経て、日本中にタワマンが建築される時代になると、土地面積に対して住戸数が多いタワマンが、税制面で圧倒的に有利になったのです。
つまり、「タワマン節税」は、税制が当初想定していなかったもので、多くの人が「抜け穴」に目をつけ、節税目的で利用しただけというのが本当のところです。
国がタワマンを税制面で優遇しようとしているわけではありません。
そのため、節税目的でタワマンを購入し、居住実績がなかったということで、裁判で認められないケースもありました。
さすがに問題視されるようになり、数年前から見直しの議論が進んでいます。
冒頭でご紹介したように、早ければ23年中にも、税制改正がなされる可能性があります。