1億円の相続で2550万円も節税
タワマンの「相続税評価額」がどのくらい安いか見てみましょう。2011年から2013年にかけて国税庁が343物件を調査した結果によると、評価額は平均で「時価の3割ほど」だったといいます。
仮に「現金1億円の相続」だと、相続税率は30%なので、支払う相続税は3000万円(基礎控除を除く単純計算の場合)。
しかし「1億円のタワマンを相続」だと、評価額が3分の1の3000万円だとすれば、相続税率は15%、支払う相続税額は450万円ですみます。
およそ2550万円も相続税を圧縮できるのです。
「高層階ほど得」は2017年に税制改正
固定資産税の面でもタワマンは有利です。
先ほど述べたように、同じ面積に多数の住宅が存在するタワマンは、土地の評価額が安くなります。また、そのメリットは高層階ほど大きくなります。
これは固定資産税の評価額でも同じであり、税の支払い額を圧縮することができます。
ただ、税務当局はこの問題を把握しており、すでに対策が取られています。2017年の税制改正において、20階以上(60メートル超)のマンションでは、階数に応じて固定資産税の税率が変わることになりました。
具体的には、中層階を基準として、そこから1階下がると約0.26%の減税、1階上がると約0.26%の増税となっています。
ただ、これだけで公平性が担保されたわけではありませんし、今後、税制がさらに厳しいものに変わる可能性は高いでしょう。