面積あたりの戸数が多いほど税金が減る

ただ、この「相続税評価額」は、路線価などを基に計算されますので、実際の不動産取引の価格より安くなります。後で触れますが、これは固定資産税の評価額についても同様です。

そのため、現金・株式を相続するより、不動産で相続するほうが、支払う相続税額はお得になるというわけです。

しかも、タワーマンションは高層建築ですので、1棟に多数の住宅が存在します。

この場合、「土地の相続税評価額」は、マンション全体分の相続税評価額を、住宅数で割った金額が適用されます。

そのため、戸数が多ければ多いほど、「土地の相続税評価額」も安くなります。高層建築であるタワマンは、土地面積あたりの戸数が多いので、税制面で非常に有利です。

面積あたりの戸数が多いほど税金が減る
写真=iStock.com/y-studio
面積あたりの戸数が多いほど税金が減る(※写真はイメージです)

しかも、タワーマンションの1戸あたりの価格は、均一ではありません。通常、低層階よりも高層階のほうが価格は高くなります。

そのため、タワマン高層階は、低層階より、相続税評価額の面でより有利になります。

このほか、「小規模宅地等の特例」として、一定の要件を満たすと土地の相続税評価額を最大80%も減額できる制度があります。