また、2019年11月には大阪でひき逃げ事件も発生しています。逃げた男(26)はその後、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕されています。

モペットでひき逃げ容疑、男を逮捕 被害者は足首を骨折:朝日新聞デジタル

「自転車」の顔をしたバイクが歩道を走っている

このほかにも、「ペダル付きバイク、事故」といったキーワードで検索すると、悪質な事案がいろいろと出てきます。

無免許でモペット運転容疑、書類送検 ノーヘル、ナンバーなし:朝日新聞デジタル

警察庁の調べによると、2022年1~9月にペダル付きバイクや電動キックボードが指導警告を受けたケースは780件。そのうち5割以上の360件が無免許運転でした。

先日、自転車によるひき逃げ事故を取り上げ、歩行者との衝突の瞬間を記録した防犯カメラの動画を公開しましたが、これを見ると、自転車であっても相手にかなりの衝撃を与えることがわかります。

ペダル付きバイクの中には、時速40キロ以上出るものも珍しくありません。こうした乗り物が「自転車」の顔をして、歩道をわが物顔で走ることがどれほど危険であるか……、特に子どもを持つ親の立場からみれば、一刻も早く何とかしてほしいと祈るような気持になります。

ノーヘル・無免許・無保険の「ペダル付きバイク」を減らすには…

そこで、反発を恐れず、ひとつの提案をしたいと思います。

それは、「ペダル付きバイク」や「電動キックボード」に限らず、すべての自転車にヘルメットの着用を義務化するべきではないか、という案です。

違反と知りながら取り締まりをかいくぐっている人々の多くは、ノーヘル・無免許・無保険で整備不良の「ペダル付きバイク」に確信犯で乗り、「自転車」の利便性を享受しています。

しかし自転車にもヘルメットの着用を義務付ければ、それを面倒だと思うユーザーたちをかなり排除することができるのではないかと思うのです。

ちなみに、現時点では、自転車に対するヘルメットの着用は「努力義務」となっており、着用しなくても違反にはなりません。2022年4月27日に公布され、今年4月から施行される「道路交通法第63条の11第1項~3項」の条文は以下の通りです。

・自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。
・自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
・児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。