ペダルをこがなくても自走し、時速40キロ以上も出る電動バイクが、「電動アシスト自転車」として販売され、利用されている。ジャーナリストの柳原三佳さんは「これは『自転車』の顔をしたバイクであり、歩行者を危険にさらしている。なぜ警察は本気で取り締まらないのか」という――。
電動自転車に充電ステーションでプラグを差し込む女性の手元
写真=iStock.com/SimonSkafar
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警察がようやく動いた

新年早々、京都市内にある自転車販売会社の社長が、「不正競争防止法違反」(誤認惹起)の容疑で書類送検されました。

ペダル付きバイクを「電動アシスト自転車」と表示して販売、業者を書類送検…全国初:読売新聞オンライン

上記記事によると、この会社は中国から輸入した「ペダル付きバイク」を、「電動アシスト自転車」であると偽って宣伝。10年間にわたり、1台約20万の価格をつけ、およそ300台販していました。『ペダル付きバイクを巡って販売業者が摘発されるのは初めて』とのことです。

運転免許もいらず手軽な「電動アシスト自転車」だと信じて購入した人たちは、悪質業者にだまされたとはいえ、結果的に法律違反をして走行していたことになり、怒りと焦りを感じておられることでしょう。

一方、違法と知りながら、少しでも速く走る商品を求めたユーザーもいるようです。いずれにせよ、購入したものが「電動アシスト自転車」ではない以上、法律に基づいて速やかに「ペダル付きバイク」として登録する必要があります。

そして、これから「電動アシスト自転車」の購入を考えている人は、その製品が本当にその基準に適合したものかどうかを見極め、詐欺的なキャッチコピーにだまされないよう気をつけてください。

「電動アシスト自転車」と「ペダル付きバイク」の決定的な違い

では、「電動アシスト自転車」と「ペダル付きバイク」、そもそも何が違うのでしょうか。改めて聞かれると、とっさに答えられない人も多いのではないでしょうか。

下記はその違いを簡単に比較したものです。

電動アシスト自転車
・ペダルをこがないと走行しない
・時速24キロを超えるとモーターでのアシストが止まる

ペダル付きバイク(電動キックボードも同様)
・ペダルをこいでいなくても走行する
・時速24キロ以上の速度でも電動アシストが働く

つまり、外見的には自転車と同じでペダルがついていても、「電動アシスト自転車」(軽車両)の基準から外れているものはすべて、「ペダル付きバイク」、つまり、道路交通法上は「原動機付自転車」として扱われるのです。