ペダル付きバイクに乗るためには、当然のことながら免許証が必要になるほか、自賠責保険の加入、ヘルメットの着用も義務付けられています。もちろん、車道以外を走行することはできません。

また、自転車とは違って、ナンバープレート、サイドミラー、方向指示器、スピードメーター、前照灯、後尾灯など、保安基準に適合した装備も不可欠です。

大阪府警のサイトで公開されている以下のチラシは、一般ユーザー向けに分かりやすくまとめられています。

ここでも強調されているように、無免許運転の場合は3年以上の懲役または50万円以下の罰金。保安基準を満たさず、整備不良のまま運転したら、3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。

ちなみに、同サイトには、ペダル付きバイクや電動キックボードを扱う業者に対する以下のような記載もありました。

<電動キックボード等の販売取扱店においては、販売する際に上記の点について丁寧にユーザーに対して説明してください。「運転免許がなくても公道で乗れる」等の虚偽の宣伝や説明をすると、刑事責任を問われる場合があります。>

つまり、今回摘発された業者は、まさにこの警告を無視し、違法な販売を行ったことになるのです。

ここ数年で急激に増えてきた「ペダル付きバイク」

さて、今回のニュースが報じられると、ネットのコメント欄には、ペダル付きバイクや電動キックボードに対する厳しいコメントが相次いで書き込まれました。

「ペダルをこいでいないのに、かなりのスピードで歩道を走っている自転車が増えて怖い」
「ヘルメット着用が義務づけられているはずなのに、ノーヘルで走りまわっている」
「警察はなぜもっと厳しく取り締まってくれないのか!」

先に紹介した大阪府警のチラシには、『取り締まり強化中‼』と大々的に書かれていましたが、一般市民の感覚としては、「無法者が野放しになっている」という不満も高まっているようです。

夜の新宿、ネオンが光る街を自転車で通り過ぎる男性
写真=iStock.com/aon168
※写真はイメージです

実際に、ペダル付きバイクによる人身事故も多数発生しています。

2021年10月、無免許でペダル付きバイクを運転していた男(26)が、自転車の女性をはね、女性は指を切断する大けがを負いました。男は「自転車同士の事故」と虚偽の報告をしていましたが、ウソがばれ、自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許過失運転致傷)容疑で逮捕されました。

男が無免許でペダル付きバイク運転、57歳女性はね薬指切断のけが…自転車事故と偽り通報:読売新聞オンライン