「ジャーナリスト」を育てる場所が減っている
紙の新聞の凋落は時代の潮流であることは間違いない。だが、それと同時に「公正中立」「両論併記」といった新聞ジャーナリズムが長年かけて築き上げた価値観も急速に失われているように見える。
紙の新聞は発行部数が増えることで猛烈な収益力を誇ってきた。要は儲かる情報産業だったのだ。ところが、デジタル化することによって新聞社の収益力は急速に下がっている。賃貸ビルからの不動産収入などに大きく依存するところも増えている。高い収益力を背景にジャーナリストを育ててきた人材育成力も、大きく損なわれつつある。紙の新聞の凋落がジャーナリズムの崩壊を招かないことを祈るばかりだ。