アガリクスは「肝機能障害の原因物質」とも

アガリクスには、どんな培地を使うかなど、さまざまな栽培法があります。

形態においてもさまざまな製品があります。乾燥させたもの、水・エタノールなどで抽出し粉末・顆粒かりゅう・錠剤・液状などにした製品、菌糸の状態で培養し、乾燥または抽出して粉末・顆粒・錠剤・液状などにした製品などが広く販売されています。

しかし、厚生労働省はそれら個々の製品まで把握できていません。

そもそもアガリクスは歴史的に摂取経験が浅い素材であり、原材料や製品でかなり品質に差異があるため、厚生労働省から注意喚起されています。

左巻健男『陰謀論とニセ科学』(ワニブックス)
左巻健男『陰謀論とニセ科学』(ワニブックス)

2006年2月、厚生労働省はアガリクスが含まれている1製品について、販売者に自主的販売停止と回収を要請しました。

国立医薬品食品研究所の試験で、アガリクスが含まれている3つの製品について、摂取目安量の約5〜10倍量をラットに与えたところ、その1つに発がん促進作用が認められたからです。

それに、アガリクスのサプリメントを摂取した3人のがん患者が重症の肝障害に陥ったとの報告があります。

なおかつアガリクスは、やせ薬以外の健康食品・民間薬による肝機能障害の原因物質としてはウコンに次いで報告が多いことにも要注意です。

そしてまた、がん患者が服用し劇症肝炎、肝機能障害、薬剤性肺炎など、重篤な健康障害を発症する例が目立ったことでも知られています。

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