米料理雑誌のフード&ワイン誌は、感謝祭でおなじみのターキー(七面鳥)の丸焼きに、醤油とはちみつで照りを出すテクニックを伝えている。醤油、ごま、はちみつ、生姜を加えることで、風味もいっそう良くなるとのことだ。
試した読者からは、手間の割に味が変わらないとの不満が聞かれる一方、気に入ってもう2年もこの手法を続けているという声も上がっている。
ニューヨーク・タイムズ紙も、味噌の変わった使い方に注目している。味噌とメープルシロップを混ぜれば、野菜やスナックに付けて楽しめるパーティーディップになるという。ちょうどハニーマスタードのように、塩気と甘みが互いを引き立て合うようだ。
味噌も醤油もこれぞ和風といった調味料だが、感謝祭のディナーやパーティーなど、海外の大切なシーンを陰で支えている。
かなり主張の強い醤油だが、デザートの隠し味としても大活躍している。オーストラリアの著名料理研究家は、ブラウニーを作る際の隠し味として醤油を勧めている。
不思議なことに、アイスとも相性が良いようだ。インド・キッコーマンはプレスリリースを通じ、バニラアイスに醤油を垂らして風味を引き立てる使い方をさりげなく案内している。
白味噌は「トロピカルフルーツのような香り」
近年では社交の場を彩る各種のカクテルにも、日本でよく見る調味料が取り入れられるようになった。
ニューヨークでは、味噌を使ったカクテルが誕生した。旅行ジャーナリストのダイアナ・ハッベル氏は、米旅行・フード情報サイトのアトラス・オブスキュラに寄稿し、ニューヨークで「スラムダンク・ディスコ」という名のカクテルを味わった経験をつづっている。
「南国のバケーションで飲んだホワイト・ネグローニのような味わいでした。バナナとあんずの香りですが、捉えどころのないファンキーな何かを根本に感じるのです」
正体は白味噌だった。このカクテルを開発し、ニューヨークのバーで飲料ディレクターを務めているウィル・クレポップ氏は、白味噌にはよく熟れたトロピカルフルーツのような香りがあると表現している。
「白味噌は本当にクールなアクセントになり、塩気が効いて風味を良くし、そしてほんの少し首をかしげるような感覚をもたらしてくれると考えました」