イタリアのピザ専門店は「ピザ寿司」を考案
このように寿司を各国の食文化と融合させたものは「フュージョン寿司」と呼ばれ、驚くほどさまざまなバリエーションが考案されている。
イタリアでは、とある伝統あるピザ専門店が「寿司ピザ」を振る舞うようになり話題を集めている。料理名からは味の想像もつかないが、米メディアのヴァイスは、「聞いた印象よりもおいしい」との感想を取り上げている。
記事によると、トスカーナ州の小さな街でピッツェリアを受け継いだピザ職人のマイオラーノ氏は、「伝統的なピザを豊富に用意しながらも、イノベーティブかつ現代的な料理で店のメニューに新鮮味を加えたい」と考えたという。
くしくも同時期、パンデミックによって主にフードデリバリー経由での販売となったことから、時間が経ってもおいしく食べられるピザの開発が求められた。こうして誕生したのが寿司ピザだ。
フォカッチャを軍艦巻のような楕円形に丸めたものに、メインとなる具材をのせ、カラフルなソースでデコレーションしている。ピザというよりはフォカッチャだが、同店はピザのバリエーションと位置づけているようだ。
中心となる具材は4種類からチョイスでき、サーモンとチーズ、漬けマグロとワカメ、粗く刻んだ牛肉とオニオンフライ、エビの天ぷらと甘辛ソースが用意されている。開発したマイオラーノ氏はヴァイスに対し、寿司を再現することではなく、まったく新しい体験を追い求めたと説明している。
「ピザやマルゲリータを注文すれば、それで終わりです。(寿司ピザは)むしろ、旅路のようなものなのです。一品目がサーブされ、味わい、同伴者と料理についての話が弾む。いつもの夕べとは違った雰囲気が訪れることでしょう」
メキシコ料理と合体した激辛巻き寿司
一方、メキシコと国境を接する米テキサス州では、メキシコ料理と寿司を合体させたフュージョン寿司が人気だ。
米CBS系列の放送局KENSでは、フュージョン寿司を売り歩くある起業家の例を報じている。キッチンカーで州内各地を巡り、チートスと寿司を融合させた「フエゴ・ロール」を販売して回っているという。