男性は40歳、女性は38歳を超えると絶望的
ちなみに、中央値計算に基づき、結婚可能性が5%以下になる限界結婚年齢を算出したところ、男性40.0歳、女性37.6歳となりました。この年齢までに初婚していなければ、データ上はほぼ結婚は無理であることになります。出会い年齢から逆算すれば、大卒で就職して2~3年以内に将来の結婚相手と出会っていないと、20代のうちに結婚することは難しいということになります。
半分以上が結婚している20代のうちに結婚できないのであれば、その後タイミングを逸し、「もう結婚する必要ないかな」と不本意のまま「結婚を諦める」ことにもつながります。〈「若者の恋愛離れは草食化のせいである」そんなウソを政府もマスコミも信じてしまう根本原因〉でも書いた通り、20~30代で「結婚したいのにできない」という不本意未婚は4割も存在します。
こうした若者が若者のうちに結婚できない事情の大きな環境要因として、彼らの経済的問題があります。
可処分所得は25年前よりも下がっている
国税庁の令和3年分 民間給与実態統計調査によれば、2021年の全体の平均給与は443万円で、これは前年比102%で増えたことになっています。ここだけを「切り取り報道」されてしまうと、「よっしゃ、給料はあがっているぞ」と勘違いしてしまうかもしれませんが、これはあくまで全年代の平均値であり、雇用者の平均年齢を考慮すれば、これは40歳くらいの人の平均値を示しているに過ぎず、それ以下の年代に関してはそこまで到達していない。そもそも平均値に意味はない。そして、そもそも額面の給料ですら意味がなくなってきています。
国民生活基礎調査に基づき、29歳以下が世帯主の年間可処分所得の中央値を計算すると、2021年ですら、わずか272万円です。半分以上が300万円にすら達していません。1996年の可処分所得は281万円でしたから、25年も前の20代より減っているのです。
1996年を1として、2021年までの可処分所得中央値の推移を、20代と64歳までの現役世代全体とで比較したグラフが図表2です。