0円空き家には「優遇制度」や「補助金」もある

この0円空き家には、特別な優遇制度や補助金を用意している自治体もあり、その動きは2022年から全国規模で拡大しています。

各自治体は、0円空き家の取引を活性化させて定住化を促し、人口の減少に歯止めをかけようと必死ですから、リフォームに補助金を支給するところも増えています。

これを上手に活用すれば、初期費用をグッと抑えることができます。

全国の自治体が実施している優遇制度や補助金の一例を紹介します。

・北海道網走市 網走市のリフォーム融資資金が利用可能
・静岡県浜松市 電気、排水、給湯など住宅設備費用を最大100万円まで補助
・大阪府大阪市 耐震改修工事費を最大120万円まで補助
・鳥取県岩美町 住宅修繕費用を最大200万円まで助成

優遇制度や補助金を受けるには、定住を前提として住民票の移動を求めたり、収入や年齢制限など、様々な条件がありますが、自分がその条件を満たしているならば、一度は検討してみる価値があります。

僕自身は、こうした制度は一度も利用したことがありません。

0円空き家を1軒だけ手に入れたいなら、そこに住民票を移すこともできますが、複数の家を持つことを想定した家投資という視点で見ると、あまり有効とは思えないからです。

永野彰一『一生お金に困らない家投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)
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補助金をもらうためには、面倒な申請手続きが必要ですが、その時間を使って他の家を探すなど、家投資を加速させれば家賃収入を増やすことができます。

その方がはるかにメリットが大きいと考えています。

補助金というのは、どんなに頑張って申請しても、支給されるのは一度だけですが、家投資によって得られる家賃収入は、これから先も、ずっと続いていきます。

本気で家投資を始めるならば、優遇制度や補助金に過度の期待をしない方が、モチベーションを保てるように思います。

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