急速に需要が高まったパブロンゴールド
さて、ひたすらPCR検査をかける状況から検査数を抑える方向に転じたので、報告上の感染者数は減少に転じている。が、実際には感染者がどこにいるかわからない。北京市など一部地域では早くも発熱外来がパンクしているという。今まではコロナ対策を恐れていた中国人民だが、ついにコロナ感染を恐れなければならない状況になったわけだ。
というわけで、中国国内では早くも「解熱剤」の売り切れが始まっている。だったら日本で買い占めて中国に転売すれば一儲けできるじゃん! とめざとい人たちも動いているのだ。
転売目的で億単位の風邪薬を購入した業者も
中国人の転売事情に詳しい、ある調査会社関係者は、「現在は削除されていますが、中国のソーシャルメディアで日本の風邪薬パブロンゴールドがコロナに効くとの投稿があったことで、買い占めの動きがあります。億単位で購入した業者が出たという話もあります」という。
もともとパブロンゴールドは、日本旅行買い物ガイドで「日本十大神薬」の一つに取りあげられており、大手ネットモールの海外商品輸入ショップでもよく売られている人気商品だ。中国メーカーの薬よりも日本製の薬を信頼するという中国人消費者も多い。
実際のところ、買い占めがどの程度の規模で広がっているかは未知数だ。都内の大手販売店では「お一人様1点限り」といった購入制限をかけるところもある。今後、中国の感染拡大が広がれば、日本の解熱剤の需要は一気に高まるだろう。
さらにパルスオキシメーターや抗原検査キットも中国では品切れが続いているとのことで、こちらも日本で確保しようという動きが広がりそうだ。あるいはSARSや新型インフルエンザであったような、「お酢で殺菌」「ヤクルトに予防効果」「ニンニクを口に含んでおけば予防できる」といったトンデモなデマが引き起こす特定商品の品切れや価格高騰もありうる。