戦いを拒否した動員兵は、2週間地下室に監禁された
動員された予備役らはすでに前線に送り出されており、そこでは悲惨な光景が広がる。
欧州政策分析センター(CEPA)は12月6日、「動員された部隊らは、怒りに満ちた動画を録画している。そこには、いかにして彼らが準備もなしに前線へと放り出されたか、そして適切な装備もない惨めな状態にあるかが映し出されている」と報じた。
記事はまた、ウクライナ東部ルハンシク州において、指揮官による横暴が蔓延しているとも報じている。「戦うことを拒否した一部の者たちは、寝ることもできず、食料も持たされないまま、ルハンシク近くの地下室に2週間にわたり監禁された」と記事は述べる。
米CNNは、ロシアの独立系ジャーナリズム「アストラ」が運用するTelegramチャンネルの情報を引用している。
それによると、こうして監禁されている兵士の数は、同州ザイツェボの町だけで300人にのぼるという。監禁された兵士らの一部が、隠し持った携帯電話を通じて親族に生々しい現状を伝えている模様だ。
当局はこの手の話のもみ消しに躍起だが、CEPAは混乱する前線を念頭に、「こうした類いの報告は今後ますます増加するだろう」と分析している。
「妻よ、私は味方に処刑されるかもしれない」
ザイツェボから車を3時間少々走らせると、ドネツク郊外のザビトン・バズハニャーの村に出る。この地でも11月、数十人のロシア人動員兵らが地下に監禁されていた。ラトビアからロシア関連のニュースを配信している独立系メディア「メデューサ」は、彼らの家族による情報をもとに監禁の実態を報じている。
記事によると多くは鉱山から連行された労働者たちであり、本来は法の下に動員が免除される国防産業の従事者だったという。にもかかわらず強制的に兵士訓練施設へと送り込まれ、十分な修練も受けることができないまま戦地へと移送された模様だ。
ほか、さまざまな産業の従事者が連行されている。車の修理工である夫を連れ去られたというロシア人女性のエレナ・カシナ氏は、メデューサに対し、「訓練施設では、機関銃の掃射訓練が1日だけ設けられていたようです」と、粗末な訓練プログラムの実態を明かしている。
当初は塹壕を掘らされていた夫だが、戦闘への参加を上官から命じられると良心の呵責に苛まれ、これを拒否した。すると上官から、拒否した者は銃殺刑に処すと告げられたという。
エレナ氏のもとにかかってきた電話で、夫は静かにこう告げた。「レナ(エレナ)、僕は今日、仲間に処刑されるかもしれない」