まずは現場に「潜在ニーズ」を探しに行く
次に、ビジネスの場に目を向けて、潜在ニーズについて考えてみましょう。
例えば、「全社員にタブレットを導入したい」という会社があるとします。
その場合「タブレットを導入したい」というのは表層的なニーズ、つまりその会社の顕在ニーズです。
「なぜタブレットを導入したいのか?」という本質的な部分が重要です。
そこを追求していくと、その会社の潜在ニーズが明らかになってきます。
潜在ニーズは実際にタブレットを使うシーン=現場に存在することが多いので、あなたがタブレットの導入をサポートする会社の営業であれば、まずタブレットを実際に使っている現場を見に行く必要があります。
現場に足を運んでよく調べてみれば、実はお客様自身でも気づいていない問題や課題がたくさんあります。
お客様が「もっと現場の生産性を上げたいんだよ」と言った場合、キーエンスであれば、「実際に現場を見せてもらってもいいですか?」と言って、セールス担当者はまず現場に足を運びます。
潜在ニーズはお客様との会話だけでは探り当てられないことがほとんどです。
現場を調査・観察して初めて潜在ニーズが見えてくるのです。
「ペルソナ設定会議」ではニーズをつかみにくい
お客様の顕在ニーズしかわかっていない場合は、競合他社が提供する製品・サービスとの差別化が難しくなります。
他社も同じような製品・サービスを提供できるからです。
しかし他社に先駆けていち早くお客様の潜在ニーズがわかれば、他社製品・サービスとの差別化ができます。
顧客の潜在ニーズを的確に捉えられたら、企業としてこれほど強味になることはありません。「付加価値の提供」と「差別化」を同時に達成できるからです。
よく「ペルソナ設定をしてユーザーのニーズを知る」というような会話がマーケティング会議などで交わされますが、実際に会ったこともない人のことを論じていても、お客様のニーズは見えてきません。
どんな製品・サービスでも、ヒット商品を生み出すためには、お客様に直接会って話を聞き、現場の様子をよく観察して潜在ニーズを把握する必要があるのです。