潜在ニーズをつかみ、ヒットを重ねるあの商品

ここからは、潜在ニーズと付加価値の関係にフォーカスしてお話ししますが、最初に、顧客の潜在ニーズをつかんで成功した具体例を紹介しておきます。

生活者、とくに主婦の潜在ニーズをつかんでヒットを重ねてきた商品に、食器用洗剤のボトルがあります。

食器用洗剤のボトルがどんどん変わっていっているのはご存知でしょうか?

ひと昔前であれば、手で開けなければならないボトルが多かったと思います。

今ではプッシュ型や、上から押すと上方に洗剤が出る型も増えてきました。これは洗剤を選ぶ基準が、「洗浄力」というニーズから、「使いやすさ」に変わってきており、そのような潜在化したニーズに応えているのです。

「エコバッグを持ち歩くのは面倒」に応えた商品

最近、私が個人的に、これはすごい! まさに生活者の潜在ニーズに応える画期的な商品だ、と感動したのは「シュパット」という買い物用の大型エコバッグです。

コンパクトに折りたたんであるバッグの両端を持って一瞬でシュパッと広げられます。収納時はバッグの両端をつかんでシュパッと引っ張ると、簡単にたためるという優れものです。

スーパーなどでの買い物のとき、レジ袋をもらわずにマイバッグを使うのが当たり前という風潮の中、「レジ袋をもらうのはちょっと恥ずかしい。でもバッグを持ち歩くのはかさばるし面倒。何かいい方法はないかな?」と思っていたが、具体的な要望として口には出せなかった人が多いはずです。

これはそんな潜在ニーズを捉えた画期的な商品です。

ここで学んでほしいことは、私たちの潜在ニーズに応える製品は身近にたくさんあるということです。

「目の前の商品がどんな潜在ニーズを捉えて企画されているのか」を考えることを積み重ねていけば、その含蓄が仕事で活かされる場面がいつかやってくるでしょう。

みなさんも身の回りにあるものをよく観察してみてください。