なぜ宿題をやらないといけないのか

そもそも、なんで宿題をやらないといけないのですか?

我が子が、勉強ができるようになってもらいたいからですか?

我が子が、学校で怒られないためですか?

それ以上に、自分がちゃんとした親だって見られたいという気持ちはありませんか?

私にはありました。

こうやって本を書いている教師なのに、「子どもは全然だめだね。親として何をしているんだか」って思われたくないという意識がありました。

長男が小学生になったときは、「なんで、こんなことも分からないの。将来困るよ」と言いながら、どこかで自分の体面を気にしていただめな親でした。

今はとても反省しています。

今は、「そこにいるだけでいいよ。あなたはあなたで素晴らしいよ。できないことがあったら、必ず助けるからね」という気持ちで接することができるようになりました。

すぐに怒りをぶつけなくなる

それができるようになったのは、「どうしたの?」が使えるようになったからです。マジックワード「どうしたの?」が口グセになると、我が子にすぐ怒りをぶつけなくなるようになります。

あなたは怒っている自分のことが好きですか?

怒りというのは、とてもエネルギーを使う感情です。もちろん時には必要な感情ですが、できるだけ使う機会は少なくしたいもの。そうすることで、あなたが笑顔で幸せを感じながら生活する時間が増えるからです。

あなたが笑顔で過ごしていると、その笑顔は連鎖します。

人間関係は鏡です。

鏡は笑いますか? 笑いませんよね。

あなたが笑うから、鏡が笑うんです。

同じように、あなたが笑うから、子どもも笑うんです。

家庭が笑顔になるためには、まずはあなたが笑う環境を作れるようにしていきましょう。

笑顔の連鎖で我が子たちにも笑顔が増え、笑顔あふれる家庭になっていきます。

「どうしたの?」の上手な使い方

「ただ見る」ためのきっかけとなるマジックワード「どうしたの?」。

子どもが何かできていないことを見たときに「どうしたの?」と聞く。すると、すぐ叱らなくなり、我が子とのコミュニケーションが豊かになってきます。

ここで、「どうしたの?」の使い方の一例を紹介しましょう。

〈デパートで「買って~」とねだる場合〉
×買わないって言ったでしょ。
×なんであなたはそんなにわがままなの!
×(周りの目を気にして)買ってあげるから泣きやんでね。みっともないでしょ。
○親「どうしたの?」
子「あのおもちゃが買ってほしくて」
親「どうして買ってほしいの?」
子「あのおもちゃ、クラスでもはやっているし、テレビでも見たことあって」
親「そうなんだ。いつも買えるわけじゃないけれど、本当に必要なものかな」
子「本当に必要なの!」
親「どうしてそう思うの?」
子「(友達の)○○ちゃんにもってるって言っちゃって……」
親「そうなんだ。正直に言えてすごいね。そう言ったことをどう思ってる?」
子「よくなかったと思う」
親「そうか、そう言えてすごい。ママなら言えないかな。今日はどうする?」
子「うーん。今日はやめておく」
親「自分で決められて素晴らしいね」
おもちゃ売り場でおもちゃを選ぶ母と娘
写真=iStock.com/Phynart Studio
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