またエアキャンパスのRSS(サイトの更新情報をまとめて配信するシステム)機能を使えば、瞬時に世界中の情報ソースから最新の新聞記事が自動的に送られてくる。
私はもう長らく新聞を取っていないし、テレビのニュースも見ていない。ニュースの仕入れ先はほとんどがサイバースペース。といってもGoogleニュースなど、恣意的に集められたニュースなどは読まない。
「世界経済」「日本経済」「地方自治」「重要な国の地政学的変化」など自分が興味のあるカテゴリー別にRSSを活用して、自分にとってのトップ記事を幅広い情報源から集めている。
1日に集まってくる情報は500件。1週間で約3500件の記事を読み、必要と思われる情報はコピー&ペーストしてスタッフに送る。スタッフはそれをパワーポイントで整理し直し、再度私が内容を確認して削ったり加えたりして加工。その内容を毎週日曜日にCSで放送している「大前研一アワー」で視聴者に向けて解説し、さらに翌週にはエアキャンパスのサイバークラスでその情報についてディスカッションする。
こうして一つの情報を自分で加工しながら4回見直す作業を10年以上、1日も欠かさずに続けてきた。ここまで情報を噛み尽くせば、まず忘れることはないし、ニュースの背後にある意味合いも、件のノート術で自分の思考を整理する。
どんな取材や講演でも最新情報に独自の分析を加えて話ができるのは、こういう作業を40年近く休むことなく続けているからなのだ。
※すべて雑誌掲載当時
(小川 剛=構成 的野弘路=撮影)