諭吉の遺体からDNAが採取できた可能性がある

想定外の出来事に親族は対応について苦慮し、大学関係者とも話し合われたが、結局、遺族の遺志を尊重し、諭吉は荼毘に付され(火葬され)た。そして、予定通り、錦の遺骨や墓石とともに、麻布十番の善福寺に移された。

遺族が葬儀参列の御礼を伝える朝日新聞の広告
撮影=鵜飼秀徳
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想像の域を出ないが、諭吉の墓の改葬が現代であれば、どういう対応が取られただろう。ひょっとしてすぐに火葬されなかったかもしれない。

奇跡的な保存状態で見つかった諭吉の遺体からは、DNAが採取できた可能性がある。慶應義塾大学医学部に遺体の一部でも保存することが真剣に検討されたかもしれない。

東京都内の寺院の住職に話を聞けば、古い土葬墓を改葬する際には日本髪を結った姿の残った遺骨が出てくるケースがあるという。実は東京都内だけではなく、各地で戦前の土葬墓は多く残っている。日本人はむしろ、土葬とうまく向き合ってきた民族といえるだろう。

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