コロナ禍のロックダウンの中で第2子を出産、外部のサポートが得られない状況で産後うつに苦しんだアメリカの作家、KC・デイビスさんは「それまでできていた自分の歯磨きをする余裕がなくなってしまった。そこで、使い捨てのプラスチックに罪悪感はあったが、144本入りの歯磨き粉付き歯ブラシを買った」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、KC・デイビス『家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

木製のカラトリーや歯ブラシ
写真=iStock.com/nndanko
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自分を救えなければ世界は救えない

自分を救うことができていないのに、世界を救うことはできません。自分が機能するために夕食に紙皿を使うことや、リサイクルできるものを捨てる必要があるなら、そうしてください。自分がちゃんと動くことができるようになったときに、世界にとって本当にいいことをする力を取り戻せます。それまでは、生き残ることに集中しようではありませんか。

現実的に考えてみれば、ちゃんと機能できるように努力しているとき、リサイクルするかしないか、選んでいるわけではないのです。あなたは段ボールのごみを廊下に積み上げて何もできないでいるか、段ボールのごみを捨てて前進するか、そのどちらかを選んでいるだけです。

いずれにせよ、リサイクルはその日のうちに終わりません。しかし、数週間分の段ボール(あるいは保存容器、紙、プラスチックごみ)を犠牲にすることができれば、機能する人間として、環境保護のような重要な活動に参加し、地球を変えることができるかもしれません。肉を食べたからサステナブルでないと恥を感じ、一日をどう過ごすか闘っているときにファストファッションの衣類を買ったからといって、何かをやり遂げる魔法のような能力が手に入る理由にはなりません。

羞恥心とは、恐ろしいほど長期間にわたって影響を及ぼす強いモチベーションです。あなたを機能させず、持続が難しい行為を繰り返させる可能性があります。

KC・デイビス『家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法』(SBクリエイティブ)より
イラスト=Lydia Ellen Greaves
KC・デイビス『家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法』(SBクリエイティブ)より