心理的安全性に不可欠な「4つの承認」を使い分ける

心理的安全性に不可欠な「承認」には、4種類:「①成果承認」「②行動承認」「③成長承認」「④存在承認」があります。

心理的安全性をつくるうえで、この「承認」とその使い分けは極めて重要です。

①成果承認(結果承認)

一番よくある承認です。行ったことの結果や成果を認めること。

「目標・予算達成への評価」「プロジェクト成功への称賛」などは、「成果承認」を具体化したものです。本人の努力やプロセスを見ていなくても、数値や結果だけ把握すればできる承認である一方、期末などの結果が出たタイミングで、結果を出せた人にしかできないのが「成果承認」です。

例:「今期の目標が達成できたね、おめでとう!」「素晴らしい企画書だね!」

②行動承認

「行動そのもの」を承認することです。成果がまだはっきりしない段階で、成果につながりそうな行動や、望ましい行動を増やすことができます。

行動承認は、結果・成果・質を褒めるものではありません。意見の良し悪しや挑戦の結果ではなく「発言・挑戦」という行動そのものへ、即座に承認を伝えます。

例:「会議の新しい進め方、ナイスチャレンジ!」「意見を言ってくれてありがとう!」

③成長承認

時間軸を広くとって、そのメンバーの過去と現在を比較し成長を認めることです。成果がなかなか出ないとき、人は正しい方向へ進んでいるのか不安になり、足が止まってしまいます。「成長承認」では、「正しい方向に成長できている」ことを伝えられます。行動の質と量、そして速度が向上したことに言及し、伝えるだけで大丈夫です。

例:「サービス説明、格段に上手になったよ!」
「企画書、このスピードで仕上げるとはコツを掴んだね!」

④存在承認

「そこにいること、そのもの」を認めることです。

さすがに「うちにいてくれてありがとう」「会議にいてくれてありがとう」と直球で伝える必要はありませんが、「存在承認」のコンセプトとしては、そういうことです。

相手をしっかり認識したうえでの会釈や名前を呼んで挨拶、相手のちょっとした変化への声かけなどが相当します。

特にキャリアが浅かったり、行き詰まっていたりするメンバーは、「存在承認」があると「自分はここにいていいのだ」という安心感を得られます。

例:「○○さん、おはようございます」
「あれっ、ちょっと元気ない? 大丈夫?」