ついに平均給与で韓国にも抜かれた
ちょっと前まで「GAFA」なんて持ち上げられて、イケてる企業の代名詞だったTwitterとMeta(旧Facebook)でリストラが始まった。
「こんなの日本企業でやったら大問題だろ、っていうか違法じゃないの?」
「巨大IT企業が栄華を誇った時代の終わりだな」
「良くも悪くもこれがアメリカ経済のダイナミズムじゃないのか」
なんて感じで、ネットやSNSでさまざまな議論が交わされる中で注目を集めているのが、「日本企業もイーロン・マスクみたいに、無駄に高給取りの使えない社員をバッサリ解雇できれば、経済がちっとはまともになるのでは?」という意見だ。
ご存じの方のように、諸外国が着々と経済成長をしている中で、日本はこの30年、低成長が続いている。賃金も30年、横ばいが続いており平均給与で韓国にまで抜かれている。「消費税を廃止せよ」「税金が高すぎる」と叫ぶ人も多いが、諸外国と比べると日本の税金はかなり安い。賃金が異常に安いので相対的に税金が割高に感じるだけだ。
税金も安く、金利もゼロで、なにかと理由をつけてバラマキをする、にもかかわらず低成長というどん詰まり状態あるのが今の日本だ。
ルール上は「社員を解雇しやすい国」である
そんな中で起死回生の秘策として一部の人たちが主張しているのが、「日本企業も年功序列・終身雇用なんてぬるいことを言ってないで、使えない人間をどんどんクビにすれば生産性が上がっていく」というものだ。日本経済がいつまでもパッとしないのは、生産性の高い労働者が成長企業・産業に移動してないからなので、雇用の流動性を高めるためにも、実力主義に舵を切るべきだというのだ。
これには大きくうなずく大企業のサラリーマンの方も多いだろう。社内を見渡せば、「使えない社員」が山ほどいて、しかもベテランの場合、かなりの高給をもらっている。「なんで日本は使えない社員をクビにできないのだろう」と疑問を抱く人もかなりいるのではないか。
そう聞くと、「法律が悪い」「規制緩和すべきだ」という主張をする人がいるが、実はこの問題はそういう類いの話ではない。経済協力開発機構(OECD)が各国の雇用保護指標を調べた2019年の調査で、解雇に関する法規制などを国際比較すると、実は日本は37カ国中に12番目に「社員を解雇しやすい国」となっているのだ。