「倹約を旨とする」というとみみっちい感じがするが、中小企業であろうと、世界的企業であろうと、変えてはいけない考え方だ。環境によって変わるようなものではない。現在は過去の考え方の結果であり、未来は今からの考え方で決まるのだ。「プレジデント」(2022年12月2日号)の特集より、記事の一部をお届けします――。
初任給20万円の新人が稼ぐべき最低額は、6分250円
京セラでは、アメーバ単位で「時間当り採算制度」を実施し、職場での仕事の結果が誰にでもはっきりとわかるようになっています。社員一人ひとりが経営者の意識を持って、どうすれば自分たちのアメーバの「時間当り」を高めていけるかを真剣に考え、実践していかなければなりません。常日頃、鉛筆1本やクリップ1つにいたるまで、ものを大切にしようと言っているのは、こうした思いの表れです。床にこぼれ落ちている原料や、職場の片隅に積み上げられている不良品が、まさにお金そのものに見えてくるところまで、私たちの採算意識を高めていかなければなりません。
日々仕事を進めている中で、採算意識を高めていこうということを、幹部社員はもちろん、私は社員全員に強く訴えてきました。この「採算意識」という言葉は、利益意識という意味ではなく、原価意識という意味です。
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