「情報が悪用されること」への疑念は消えない
もうひとつ、根本的に問われているのが、政府への「信頼度」だろう。
利便性を高めるために政府に情報を集中させても、政府がそれを悪用し国民を過剰に監視するような使い方はしない、という信頼感がなければ、国民の多くの情報を国が一元管理する体制には支持が得られない。
マイナンバーカードを手にしていない半数の国民には、国に対する「疑念」を払拭できていない人が少なからず存在する。つまり、マイナンバーカードの普及には政府への信頼が不可欠だ。
旧統一教会との問題が次々と表面化。首相や大臣の発言はくるくる変わる事態となって、岸田文雄内閣の支持率は大きく低下している。そんな政府の信用度が瓦解している中で、デジタル化もマイナンバーカードの普及も進まないだろう。