ネズミやワニ、サソリや蛇の料理も…
広東料理は日本でもよく知られていると思います。
横浜が開港した頃から広東人が通訳などでやってくるケースが多かったこともあり、日本の中華料理は広東料理を中心に広まりました。
チャーシュー、酢豚、シュウマイ、フカヒレの姿煮などが代表的な広東料理です。飲茶も広東省で発達した文化といえます。中国では「早茶」という言い方をするのが普通です。
朝食として食べる、バリエーション豊富な点心を早茶と呼びます。
広東省は“食の天国!”で、「食は広州にあり」、「広東人はテーブル以外、足が4本ついているものはなんでも食べる」などと言われます。
いわゆる“ゲテモノ食い”をすることが多いのは広東省と雲南省です。
広東省ではネズミやワニ、蝉、サソリや蛇なども食べます。広東省の大部分は亜熱帯気候に属することもあって生物の種類が多く、かつては食糧が豊かな地域ではなかったからだとも考えられています。医食同源の意識が強いようです。そのため薬膳のような意味合いでいろいろな生きものを食べているみたいです。
同じ中国語でも方言が多すぎてわからない
広東省では広東語が使われているイメージですが、東側の福建省に近い地域では客家語や潮州語を話す人が増えます。
広東語は、広東省だけでなく香港やマカオなどでも使われています。客家語は広東省梅県地方や中国南部に話す人がいて、潮州語は広東省の潮州市あたりや東南アジアなどで使われます。
他の地域の中国人からすると、広東語も客家語や潮州語も区別がつかず、すべて超難解方言と言えます。広東語を学ぼうとするなら塾に通う必要があるくらいで、ほとんど外国語に近い感覚です。広東語を話す人と客家語を話す人のあいだでも、互いの言葉がよくわからないそうです。
広東人は、知らない人に対して、男性には「靓仔(イケメン)」女性には「靓女(美女)」と呼ぶことでも知られています。
そう聞くと、日本の人は、おべんちゃらのように思われるかもしれませんが、そういう意図はないです。名前がわからない人に対して「お兄さん」、「お姉さん」と呼びかけるのと同じ感覚のようです。