香川照之氏とENEOS元会長のセクハラはなぜ起きたか

それから十数年がたち、私は銀座で毎晩のように飲むようになった。だが、なぜか『ジュン』だけには足を向けなかった。当時の彼女と別れてしまったのも、気おくれさせた理由だった。気がつくと店はなくなっていた。出世はしなかったが、あの時溜まったツケを払う機会がなくなってしまった。

さて、本題に戻ろう。俳優の香川照之氏(56)と石油元売り最大手ENEOSホールディングス会長だった杉森務氏(66)が、高級クラブでホステス嬢にした乱暴狼藉は、この2人の卑しい本質を満天下に知らしめることになった。

なぜ彼らが、強制わいせつ罪にも問われかねないセクハラを、ホステス嬢にしたのかを考える前に、彼らの行状を見てみよう。

まずは杉森氏のケースから。彼は「1979年、一橋大学卒業後に当時の日本石油に入社。99年に日本石油と三菱石油が統合された際は販売企画課長として、新ブランド『ENEOS』の誕生に尽力し、2017年に東燃ゼネラルと統合した翌年、グループのホールディングス社長に就任した人物である」(週刊新潮9月29日号

週刊新潮によると、7月1日、杉森氏は沖縄の得意先の幹部らとともに、那覇市の中心部にある歓楽街・松山の高級クラブに来店したという。

女性は幾度も拒む仕草を見せたが…

店のVIPルームで飲み始めた杉森氏は、隣に座った初対面の30代女性ホステスをいたく気に入った様子で、手を握ったりした後、大声を出して彼女を抱き寄せたというのだ。

「持ち込みのワインを飲みだして気持ちが大きくなったのか、杉森さんは彼女のドレスの中に手を入れて、胸を触り始めた。それには飽き足らず、ついにキスを強要した。彼女の肩に手を回し、その腕で強引に首を絞めるような格好で唇を奪ったのです」(同店の内情を知る関係者)

女性は幾度も拒む仕草を見せたが、杉森氏は「銀座では普通だよ、こんなの」「いいから乳首、触らせろ」などとしつこくいい募り、別のホステスにも同様の行為を働いたという。

そして、ドレスを強引に脱がしてしまったというのである。

「こうした状況が2時間近くも続き、さすがに見かねた他のホステスが“会長、こっちで歌いましょう”とカラオケを勧めたりしたようですが、それでは満足できなかったのでしょう。杉森さんはセクハラを続けてきた彼女のドレスを強引に脱がし、上半身を素っ裸の状態にしてしまったのです」(同)

衆人環視の中で理不尽なことをされた女性は、その場に泣き崩れてしまった。そしてようやく店側は、ホステスを交代させる形で彼女を解放したという。

さすがに杉森氏たちは帰ったが、懲りずに翌日も来店したというから呆れる。

だが、被害を受けた彼女は体に異変を感じていた。