電話はどんなに集中していても掛かってくる

私は弁護士としてタスクに向き合っているあいだ、山のように積まれた仕事に集中するためにも、なるべく電話には出ないように意識していました。

あなたの仕事や業務内容にもよりますが、タスクに向き合うときは極力スマホの電源を切っておくべきです。

メールやLINEなら、まだ無視できるかもしれませんが、電話は長いこと鳴り続けるのでどうしても注意が削がれます。

一度でも電話に出てしまうと、絶対に電話の相手に注意が向きます。メールやLINEは自分のタイミングで返せますが、電話は不可能です。そして、人間はシングルタスクしかこなせません。

タスクに集中するためには、スマホから距離を置きましょう。仕事中は電源を落とすとか、勉強する部屋には持ち込まないとか、やり方はいくらでもあります。一定時間は開けられない「タイムロッキングコンテナ」にスマホを入れている人もいるそうです。

スマホは、本来は電話だったのです。電話が掛かってくるか否かは、あなたの意志力で解決できる問題ではありません。

また、普段それほど電話が掛かってこないという方でも、なぜか集中しているときに限って掛かってきた、という経験がある方は少なくないでしょう(笑)。

これも、電話の不思議なところです。タスク中は物理的に距離を置くこと。シンプルですが、これが解決策としてはいちばんなのです。

スマートフォンを使うビジネスパーソンの手
写真=iStock.com/kohei_hara
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なぜ図書館や自習室で勉強するとはかどるのか

カフェと同じように「図書館や自習室で勉強するとはかどる」という言葉をよく耳にします。そして私も、これは正しいと思っています。カフェとは違って経験上、図書館や自習室に足を運ぶ人は、合格率も高いです。

なぜ、図書館や自習室に行くと勉強がはかどるのでしょうか? 理由は、主に二つあります。一つは、自室や自宅には、集中を妨げる誘惑アイテムがたくさんある点です。

いま、あなたが自室にいるとしたら周囲を見回してみてください。スマホはもちろんのこと、テレビがあったり、パソコンがあったり、マンガや雑誌が散らかっていたり、ワンルームマンションの方であれば台所に食材があったりするかもしれません。

こうなると「そういえば○○という番組、明日の夜9時からだったっけ? 今のうちに録画しておくか」とか「料理の下ごしらえをしておかなければ」などという気持ちがわいてきて、実際に行動に移してしまうかもしれませんね。