新型ステップワゴンに「マジかよ?」と思ったワケ
新型ノア&ヴォクシー発表直後に行われた「東京オートサロン2022」で先行お目見えした新型ステップワゴン。小沢は実車を見て、その個性派路線にシビれると同時に、「マジかよ?」と思いました。ノア&ヴォクシーとはことごとく真逆の戦略できたからです。
まずはデザイン。見れば分かる通り、新型ステップワゴンは競合とは真逆のシンプル路線。ワイルドでギラギラメッキのノアヴォクをこってりとんこつ醤油ラーメンとするなら、ステップワゴンはシンプルな塩ラーメンです。明らかに時代の流れに逆行してます。
しかも開発責任者の蟻坂篤史氏(本田技研工業 四輪事業本部ものづくりセンター)いわく、「マーケット調査をしたところ、ミニバンユーザーの3割ぐらいはシンプル&クリーン路線を求めるお客様がいる。それなら将来あり。イケるかもしれないと賭けました」。
ウケ狙いのこってりオラオラ顔が苦手なのもわかるけど、マジでマーケットのたった3割に賭けるの? 正直小沢は目を疑いました。
でかすぎるボディ、燃費もイマイチ
ボディも極端に拡大。衝突安全基準が高まったこともあり、シンプル&クリーン顔の「AIR」グレードが全長4.8m、顔のメッキ帯が太めの「SPADA」グレードが4.83mと極端に長い。全幅もノア、ヴォクシーを超えて1.75mと広い。
今までの5ナンバー箱型ミニバンとは使い勝手が大きく異なる、でかめサイズを採用してきたのです。
燃費や走りに対する姿勢もトヨタと大違いで、蟻坂氏いわく「実質、リッター20kmを超えれば十分だろう」と2モーター式ハイブリッド機構「e:HEV」モデルが最良で20km/Lと旧型と変わらずかグレードによっては落ちるレベルで、ガソリンターボモデルも同様。
露骨に、燃費より走り味優先のホンダ新個性派路線を採用しているのです。
個人的にはシンプル&クリーン顔で、ホンダならではの電動感溢れるシリーズハイブリッド「e:HEV」のすっきりとして滑らかな走りは好みではあります。
とはいえここ10年のワイルド顔ブームや、昨今のガソリン高からくる低燃費指向をみると、どう考えてもステップワゴンは逆張り中の逆張り。
面白いけど、ホンダファンがある程度買ったら売れなくなるだろうな? と予想してました。