インターネットは一部の人のものから皆のものになった

ユーザーの検索行動によって検索結果の傾向が決まってくるという話をしましたが、検索エンジンの結果やWebコンテンツについてはアルゴリズムだけでなく、ユーザー層の変化も大きな影響を与えています。

ひと昔前まで、インターネットはパソコンから接続するもので、一定のリテラシーを持った利用者が中心でした。本当に昔「インターネット通信」と呼ばれていた時代は、いわばオタクやギークのものだったと言えます。

山田竜也『神速で稼ぐ独学術』(技術評論社)
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しかし、スマートフォンの普及や、3G、4Gという回線速度の向上によって、パソコン以外の端末からインターネットを利用するのがあたりまえになり、もはやインターネットを利用しない人がいないといってもいいほどの普及率になっています。スマートフォンでインターネットを利用する層は、ほぼ100%、検索エンジンの利用者でもあります。つまり、インターネットの大衆化とともに、幅広い年齢やリテラシーの層が検索エンジンを利用するようになっているのです。

一部でネットユーザーの「検索エンジン離れ」が起きている(SNSなどに移動している)という情報もありますが、現実にはその逆です。ニールセンの2021年7月のデジタルコンテンツ視聴率調査では、PCとモバイルの重複を除いたトータルで最も視聴者数が多かったのはYahoo! JAPANのポータルサイトですが、18~34歳の若い年齢層ではGoogleのリーチが95.5%でトップかつ圧倒的な利用率となっています(注)

注:1カ月間で最も視聴者数が多かったデジタルコンテンツは?【ニールセン調査】

リテラシーの低い検索には質の低い検索結果しか表示されない

そこで、先述の問題になります。リテラシーの低い層が多くなればなるほど、検索結果はどうなっていくでしょうか。そうです。一般的な検索キーワードの検索結果はリテラシーが低い層が満足するような検索結果に偏りがちということになります。このことが、Googleをして「YMYL(Your Money or Your Life)」というアルゴリズムを導入せざるを得なくなった理由でもあります。

ベストセラーになった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社)という本で中川淳一郎氏が書いていますが、現在のWebは大衆化したものになっています。検索エンジンも、リテラシーが低い検索にはリテラシーが低い検索結果(ユーザーの求める内容)を返すようになっているのです。

恐ろしい話ですが、あなたがもし検索ユーザーとしてリテラシーが低いのであれば、その検索結果もリテラシーが低いものしか表示されないということになります。あなたの検索結果はいかがでしょうか。

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