「早くコロナ前の暮らしに戻りたい」というニーズに応えるべき
ただ、冷静に考えてみてほしい。マスクを絶対に着用しない人間など、全人口の0.5%程度だろう。そんな少数派が毎度スーパースプレッダーになり、全国を覆い尽くすほどの「波」を発生させているとでも言うのか? 陽性者が増えたら「マスクをしない不届き者のせい」、減ったら「われわれがマスク着用を励行して、対策を頑張った結果」──いちいち、都合がよすぎるんだよ! いい加減、現在の感染対策には意味がないことを認めなくてはならない。
いまこそ、企業や商業施設は「現在のアホ過ぎる状況に呆れている人(ただし、公言するのは憚られるので黙っている人)」「もはや感染対策に意義を感じないので、暮らしをコロナ前の状況に一刻でも早く戻したいと思っている人」をターゲットに、PR施策を打ち、販促活動を展開するべきである。
独自に「コロナ対策終了宣言」を出してしまおう
絶好の商機を逃すな──ひと言でいうとそういうことなのだが、まずやらなければならないのは、コレである。
これだけで間違いなく「快適に、ストレスなく利用したい」と望んでいる客はやってくる。実にお手軽かつ余計な経費がかからない販促策だ。とりあえず「お客様のマスク着用は自由です」「スタッフは一切着用しません」と宣言するだけでいい。施設の入り口にこの旨をデカデカと掲示し、ツイッターやインスタグラム、公式ウェブサイトにも明記する。クレームを受けた場合は「当社の方針です」というだけで押し通す。これまで「なぜマスクを着けないと利用できないのだ!」という少数派からのクレームに対して、定番の「他のお客様の安心のためです」という回答のほか、「当社の方針です」のひと言でもさんざん乗り切ってきたではないか。であれば、逆の状況でも可能である。
そして、これまでスタッフにマスク着用を義務化してきたのだから、着用禁止だって義務化できる。それを「怖い」というスタッフには辞めてもらえばいい。コロナ脳はしょせん、無能である。そんな人材は不要だ。むしろ新たに採用をするにあたっての条件に「職場ではマスク非着用」と書き加えておけば、自分の頭で合理的に考えることができる人材を採用できるだろう。
マスクをしない客やスタッフを恐れる人は利用しなくなるだろうが、前述のとおり、いまだにコロナを本気で恐れている人間など30%程度だろう。残る70%の人間が「あの店は快適だ」となれば、客は増える。いま「コロナ対策終了宣言」を率先しておこなうことには、メリットしかない。
ちなみに先行事例をひとつ挙げておくと、星野リゾートは今年5月「屋外でのマスク着用を施設側からは求めない」ことを発表している。あくまで屋外のみなので限定的ではあるが、「マスクをする自由があるなら、しない自由もある」という姿勢を事業者側が明確にした点は評価したい。実際、「マスクを強制されないのが嬉しいので、夏休みは星野リゾートに泊まることにした」といった利用者の声もあったと聞く。同社は過去、透明な巨大提灯のなかに参加者一人ひとりが入った状態で会食をする「提灯会食」なるプランを発表。その絵面の間抜けさが失笑を呼んだが、もともと賢い企業のため、今回はまともな判断ができたのだろう。