「生きざまをぶつけたい」
今回の予選には個人のほか、団体でスカイスパ所属の永井テツヤ氏と出場する。
「団体での演目は『サ道』作者のタナカカツキ氏、ドラマ『サ道』音楽担当のとくさしけんご氏と永井氏の4人でチームを組ませてもらっています」
アウフグースには、脱水症状などのリスクが付きまとう。しかし、お金をもらう以上、利用者に満足してもらえるよう限界まであおぐことを心掛けているという。今回の予選で、アウフグースマスターとしての生きざまをぶつけたいと意気込む。
「世界大会の出場者は、余裕さや魅せ方のレベルが違う。アロマの香りの持続力や広がり方も考えられていて、あおぎ終わった後のお客さまを見送るしぐさなども美しいのです。どうにかそのレベルまで持っていけるよう、日々練習をしていきます」
女優・タレントから熱波師の道へ
アウフグースマスターの挑戦③~鮭山未菜美氏~
鮭山未菜美氏は女優・タレントを経てアウフグースマスターになった珍しい経歴を持つ。施設に属さずフリーとして様々な施設を巡業。追っかけもいるほどの人気マスターだ。
「京都出身なのですが、子供のころから親に連れられてサウナに入っていました。上京してから『芸能界は自分の居場所じゃないな』と感じるようになったタイミングでサウナにはまったんです。それからすぐに『熱波師検定』という資格を取りました」
2020年に熱波師検定を受け、アウフグースをしている動画をYouTubeにアップ。動画をきっかけに「サウナ&カプセルホテル 北欧」(東京都台東区)でアウフグースをすることになった。その後も複数の施設から声がかかるようになった。
しかし、フリーのアウフグースマスターはまだまだ少なく、大変なことも多いという。
「コロナの影響で温浴施設が休館した時などは、仕事はほぼゼロでした。ケガをしたら仕事はできなくなり、補償もありません。ただ、大きさや温度の違うサウナ室でアウフグースすることで、応用力が身についたと思います」
各地の施設を飛び回ってアウフグースをする鮭山氏。身体的や精神的にきつくないかと尋ねたところ、「寝る前に次の日の施設のことを考えるとわくわくします。ただただ楽しい』と笑顔で答えてくれた。
そして彼女は、北欧で箸休めサトシ氏や鈴木陸氏と出会い、APTに所属することに。「APTに所属してから、今回ペアを組む鈴木陸さんから技術を学ばせてもらいました。1年半くらい毎週月曜日に北欧で活動しているので、絆もありますし、今回の予選に自信もあります」。
女性アウフグースマスターとして、今後も女性がサウナに興味を持ってもらえるように自分が入り口になれれば、と語るその姿は凛としていた。
「ハレニワの湯のたま助として大会を盛り上げたい」
アウフグースマスターの挑戦④~たま助氏~
たま助氏は埼玉県熊谷市にある「おふろcafé ハレニワの湯」に所属する女性アウフグースマスターだ。
「始めたきっかけは、会社の研修でドイツサウナ協会認定のアウフグース検定を受けたことです。3年前くらいから練習を始め、今はハレニワの湯以外の施設でもアウフグースをしています。フィットネスインストラクターもしているので体幹や動きなどがアウフグースに生かされてますね」