岸信夫氏がどのくらい補佐官で居続けるかは注目点だ

人事は年に1回やってくる。

安倍一強体制は、選挙に勝ち続けることと、人事によって固められていった。かつて安倍氏が岸田氏を外相、政調会長として次なるリーダーとしてポストを与え続けたように、岸田総理もまた、次なるリーダーとなるにふさわしいと感じた人にはポストを与え続けるだろう。

それは安倍派だけでなく、茂木派、麻生派に対してもそうであろう。しかし、目下、混迷を極める安倍派に対し、今回の人事で、岸田総理が示したのは、安倍派の新リーダーは自らが育てていくという姿勢である。

ある安倍派所属議員はこう話した。

「誰かが会長になって、それを不満に思っても、派閥を出て自分の派閥を作ろうなんていう大物はいない。派閥を作るということはゼロからお金集めして、子分にお金もあげなきゃいけない。麻生さんじゃあるまいし、無理だ」

派閥政治は続くものの、小選挙区制度において、公認権と人事権は伝家の宝刀であり、今のところ、岸田総理は、それらをうまく使いこなしている。

安倍氏亡きあと、安倍派の新リーダーは、安倍派内の抗争を勝つ者ではなく、岸田総理自身の手によって育てられていくだろう。そして、岸信夫氏がその後ろ盾として常に岸田総理のそばにいれば、岸田総理としても安泰である。

ちなみに、首相補佐官は、岸信夫氏が加わったが、他の3人の政治任命者は続投となった。すなわち、そうそう変えなくてもよいポストであることがみそである。多くの大臣が1年ごとに交代する大臣とは異なり、衛藤晟一氏は7年も補佐官であった。今後、岸信夫氏がどのくらい補佐官であり続けるかも注目していこう。

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