五感のすべてを使って情報と向き合う

東国原英夫●元宮崎県知事。1957年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業、同政治経済学部中退。2007年1月より現職。『知事の世界』(幻冬舎新書)など著書多数。かつてお笑いタレント「そのまんま東」として活躍。

実はものすごいアナログ人間なんです。活字が捨てられない。新聞の手触りというか、雑誌でも本でも紙じゃないと読んだ気がしない。書き込みができなきゃダメなんですよ。新聞記事に線を引っ張ったり、余白にメモを書き込んだりしてきましたから。旧態依然としてますけど、自分の中のバランス感覚で、すべてをネット化、ウェブ化しないで、視覚や聴覚、触覚、五感のすべてで情報に向き合うことを大切にしている部分もあります。

災害や事故などの緊急情報は県を通じて入ってくるし、現状、ネットで新聞を見るとすれば海外に出かけたときぐらい。朝日、毎日、読売の三大紙と地元の宮崎日日新聞はウェブサイトで読みます。

政策立案など公務に必要な情報は、僕のほうで指示を出します。政務秘書が当該サイトにアクセスして、A4サイズでプリントアウトしてくれる。僕は紙の上の活字を読むだけ。今は天気図までプリントアウトして、「この地域の何時の降水確率は何%で、何時間後にはこうなります」と雲の形まで見せてくれますから。

先日、秘書が周りにいなかったので、初めて自分で検索しました。やってみれば簡単で、自分でやれないことはないんですけどね。でもまあ、頼ったり、頼られたりの関係でいるほうが秘書の方たちの使命感も生まれるのではないかと(笑)。