不満が改善されない原因は「あいまい」だから

Case2:パートナーへの不満があるとき
夫(妻)や恋人に少しでも気に入らないことがあると不満に思ってしまう……。

誰かと長く一緒にいればいるほど、どんなに仲が良い相手であっても、不満は生まれるもの。いくら長い時間を共にした大切な相手でも、パートナーはあなたとは別の人間です。感覚は他人同士なので違うのも当たり前です。

建設的な未来のためにはお互い理解し合うことが大事です。そのため、夫や妻、パートナーに対して抱いた不満は、きちんと相手に伝えることがそれぞれの関係を円滑に進める大切な一歩だと私は思います。

ただし、多くの方のお話を聞いていると、なかなか難しいのが「伝え方」です。

自分が感じる「もっとこうしてほしい」という不満を、いくら伝えても改善しないとおっしゃる方の大半は、実は言い方が「あいまい」であることが非常に多いのです。

相手に解釈を委ねるような言葉で伝えても、自分が期待する行動を相手が取ってくれないのは当然のことです。

「パートナーだからこそ、細かく言わなくても察してほしい」という気持ちから、ついあいまいな言葉で伝えたくなってしまうものですが、具体的に伝えない限り、相手と意思疎通することはどんなに親しい間柄であっても難しいです。

理由と数字を交えて具体的に要望を伝える

だからこそ、相手に対する要望は、できるだけ具体的に伝えることが重要です。

たとえば、夫に「子どもを見ていてね」とお願いして家を出て、妻が帰ってきたら「スマホをいじりながら本当にチラチラ見ていただけだった」ということが往々にして起こりえます。

この場合は、

「最近は遊具遊びが好きみたいだから、1時間くらい公園に連れていって一緒に遊んであげて。他の子とケンカしないように注意してね」
「いま、この子はブロックに興味があるから、30分間ブロックで遊んであげてほしい。最近はロボットを作るのが好きみたいだから、一緒に作ると喜ぶかも」

など、できるだけ具体的に伝えないと、相手にはあなたがしてほしいことの意思が伝わりません。