大きく息を「吐く」ことで自律神経が整う

人間のストレス状態と呼吸は密接に結び付いています。

人は怒りやストレスを感じると、自律神経が興奮モードに入るので、無意識のうちに呼吸が浅くなります。そして、呼吸が浅くなると、ますます身体がストレスを感じる……という悪循環にハマってしまいます。

パニックになったとき、息がうまく吸えなくなる過呼吸に陥ってしまう人がいるのは、こうしたメカニズムが関係しているのです。

怒りで興奮状態になると、深呼吸をして心を落ち着けようにも、深く息が吸えなくなります。なので、まずは大きなため息をついて、息を「吸う」のではなく、「吐く」ことに集中してください。

「ふ―――っ」と大きく息を吐き出してため息をついた後に吸い込むことで、深い呼吸になり、自律神経が整い、気持ちも少し落ち着くはずです。

アジアのビジネスウーマンはリラックスして感じる
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ため息をつくと、むしろ幸せが訪れる

深呼吸をするときには、姿勢も重要です。

前傾した体勢だと、空気がうまく肺の中に入らないので、肩を回して力を抜いてから、胸を開いて全身を使って深呼吸することで、より効果が感じられるはずです。

昨今はスマホやパソコンと向き合う時間が増えたせいで、姿勢が前かがみになってしまうことが多く、日常的に肺が圧迫されている人が多いです。空気が肺に入りづらい体勢は、余計に呼吸が浅くなりがちなので、猫背の人ほど注意しましょう。

なお、ため息は気持ちが落ち着くまで、何度でも繰り返してください。息と一緒にイヤなことを全部出しきってしまいましょう。

「ため息をつくと、幸せが逃げるのでやらないほうがいい」というジンクスがありますが、実際には正反対です。イヤな気持ちをため息と一緒に吐き出してしまったほうが、心も落ち着き、幸せが訪れると思います。