勉強を頑張る子供に、親はどんな声をかければいいのか。進学塾・浜学園の橋本憲一副理事長は「無理解な親の言動は、子供のやる気を奪ってしまう。とくに、帰宅した子供に『今日のテスト何点だった?』と聞くべきではない」という――。(第1回/全2回)

※本稿は、橋本憲一『中学受験に合格する子の学んだら忘れない勉強ルーティーン』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

母から注意されている娘
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受験勉強中の小学生に立ちはだかる「親という壁」

小学生というのは勉強するだけで偉いと、私はいつも思います。

毎日朝起きて学校に行って、さらに塾に行って。おそらく彼らがご両親から入塾をすすめられたときは、塾というものに入っても「塾に行くだけでいい」と思っていたはずです。ところが、塾には計画表があり、それに従って勉強して、テストを受けたらその直しを家でしなければいけない。子どもたちは塾というものに、そんなにたくさんのオプションがついているとはゆめゆめ思っていなかったでしょう。

それが子どもたちの本音だと思います。だから何カ月も、子どもによっては何年も通塾するなかで、本来ならそんなに苦労せず乗り越えられたはずの問題なのに、すごく分厚い壁が立ちはだかっているように見える時期が、何度もあるのです。

浜学園では能力別クラス編成になっていますが、テストの成績によってクラス替えがあるので、塾に入った当初は低いクラスからのスタートでも、努力して自分なりに勉強のコツをつかんだ子どもたちは必ず階段を上がっていきます。

でも、その前に立ちはだかるのはいつも「親」という壁なのです。

まだ入塾して日も浅いうちから「子どもの成績が伸びない」と嘆く保護者がいます。でも目を凝らすと、塾に入ってからの子どもたちは、それ以前の生活と比べていろんなことが少しずつ変化しているはずです。