4.やれるだけの節税対策をする

節税は運や能力と関係なく、手続きだけで効用を得られます。

私の場合、節税と運用を両立できる手段として、iDeCo(個人型確定拠出年金)、倒産防止共済、小規模企業共済に掛金上限まで加入しています。

私自身は所有する法人で社会保険に入っていますが、自営業者なら国民年金基金や付加年金などに加入してもよいでしょう。

これらは掛金全額が所得控除の対象となるため、税金という支出を減らしつつ貯蓄することができます。

「節税」という文字が表示されている電卓
写真=iStock.com/BBuilder
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あるいは所得控除の上限はありますが、最大の保険料控除を受けられる最小の金額だけ、貯蓄型の生命保険・医療保険・個人年金に加入する。

そして満期返戻のタイミングを、たとえば65歳、70歳、75歳などと分散させておく。

むろんこれら確定給付型の保険商品はインフレに弱いという弱点があるのですが、定期預金に預けていても金利は0.002%。ネット系銀行でも0.2%程度です。

しかし掛金全額所得控除の保険なら、所得税率10%の人でも住民税と合わせて20%の節税効果、つまり運用利回りになります。

控除の上限がある民間保険でも、生命・医療・個人年金をそれぞれ8万円、年間24万円の払込で、所得税控除年間12万円、住民税控除年間7万円ですから、同様に所得税1万2000円+住民税7000円で合計1万9000円の節税効果があります。

保険料はカードで払えば1%、2400円の還元なので、年利回り8%以上となります(ただし節税は単年度で決まるため複利効果は見込めません)。

将来戻って来る保険金や返戻金がインフレで目減りしたとしても、ハイパーインフレといった事態にならなければ、それなりの安心材料になると考えています。

5.物価に連動しやすい資産の割合を増やす

冒頭の通りインフレ傾向が強くなることが予想されますから、対策としては株や不動産、あるいは金(ゴールド)や大豆、原油に代表されるコモディティなど、物価に連動しやすい資産の割合を増やすことです。

コモディティはハードルが高いですが、コモディティETFなどもあります。

またわかりやすいところでは、輸出や物流、資源やインフラ、生活必需品などに関連する企業への株式投資などが挙げられます。

逆に定期預金や貯蓄型保険商品の多くはインフレとともに目減りしますから、解約で損しないのであれば、こういったポジションを減らすという判断もありです。

さらなる円安に備えるなら日本円のポジションを減らし、外貨に替えることでしょうか。