運用成績が最も良かったのは「何もしなかった人」
さて、まとめに入りましょう。とにかく下手な動きをしないこと。これに尽きます。フィデリティという運用会社がおこなった2003年から2013年の顧客の運用パフォーマンスの調査では、「運用を忘れていた人」のパフォーマンスが最も良かったそうです。
つまり、何もしなかった人です。余計な売買をすると、タイミングも間違えるし、移動先も間違えます。じっと動かずいるだけで良いのです。下手に動けば、金銭的コストが上がります。
ポイントは、「大成功」よりも「失敗しないこと」です。集中投資で大成功を目指すのは、ある程度の経験を積んでからでも遅くはありません。経験を積んだとしても、それで成功できる人はわずかです。どうしてもアクティブな投資がしたいなら、年単位で、相場を見ることに慣れる「練習」期間を設けてからでも遅くないでしょう。
ベンジャミン・グレアム氏も、まずは練習するように投資家にアドバイスしています。練習期間はどれだけ取っても構いません。練習期間のインデックス運用のまま、投資人生を終えてしまっても悪くはないくらいですから。