長期投資は「参加者全員が勝つ」可能性がある

3つ目のミスは、「投資期間のミス」です。

投資というのは、短期的に見れば「マイナスサムゲーム」です。全員の賭け金から、手数料を取る証券会社や運用会社が持ち分を取り、その残りを参加者が取り合うからです。勝つ者もいて負ける者もいますが、全体では手数料分がマイナスになります。

これは、FXやカジノと同じ原理です。株の「デイトレード」も同じです。短期投資は完全にマイナスサムゲームで、誰かの勝ちは誰かの負けです。唯一絶対に勝つのが、手数料を取る証券会社です。

しかし、同じ株でも「長期投資」になれば話は変わってきます。長期投資になれば、「参加者全員が勝つ」ということがあり得ます。つまり、「プラスサムゲーム」になるのです。それは、投資先の企業が「新たな価値」を生み出してくれているからです。

これらのことからも、余計な資金移動はせず、持ちっぱなしにするほうが良いとわかります。

投資に参加できるのに、なぜかしない日本人

短期的な値動きは、「本質的な価値」を理由に動いていません。単なる心理戦で値段が動いているのです。その世界で利益を得るには、誰かから奪わなければなりません。

長期的なリターンには「本質的な価値」の上昇分も含まれています。この本質的な価値によるリターンが増えるので、これは、誰かから奪わなくても得ることができるリターンです。そのため、参加者全員がプラスになるということもあるというわけです。

「そうしたら、相対的には誰も金持ちになれないのでは?」と思うかもしれません。そうですね、「参加者の中では」相対的にお金持ちにはなれないかもしれません。でも、長い歴史の中でこれだけ株のメリットを多くの人が語ってきたにもかかわらず、まだ参加しない人が日本には大勢いるのです。

世界に目を向ければ、「できない(できる環境がない)」という人も大勢います。しかし日本人なら、環境はすべて整っています。それでも、やらない人が大勢います。なぜやらないのか、本当に不思議です。動かずに、じっとし続けるだけでいいのに……。