ロシアのウクライナ侵攻で日本の防衛力強化が叫ばれる中、沖縄の辺野古新基地を巡って国の“非人道的な計画”が問題化している。ノンフィクションライターの古木杜恵さんは「第二次大戦後77年を経た今も糸満市などから沖縄戦戦没者の遺骨が見つかる。国は遺骨収集を推進する責務があるにもかかわらず、戦没者の遺骨が眠る土砂を採取し、新基地の軟弱地盤改良工事に投入しようとしている」という――。
着陸時の飛行機のシルエット
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在日米軍が集中する沖縄で国が計画する非人道的行為

沖縄は6月23日、「慰霊の日」を迎えた。

住民を巻き込んだ熾烈な地上戦で、20万余りの尊い生命、財産、文化遺産が奪われた沖縄戦から77年。激戦地となった本島南部・糸満市摩文仁の県営平和祈念公園では「沖縄戦全戦没者追悼式」が開かれた。多くの遺族が同園内にある「平和の礎」に集まり、戦没者に思いをはせ、世界の恒久平和を願う。