長寿地域で共通してよく食べられている野菜がある。十文字学園女子大学客員教授の辨野義己さんは「約2万人のうち100歳を超える高齢者が50人いる徳之島では、食生活の中心にサツマイモがある。サツマイモには食物繊維が多く含まれており、これが腸内環境の改善に効果を発揮していると考えられる」という――。(第1回/全2回)
※本稿は、辨野義己『長寿菌まで育てる最高の腸活』(宝島社)の一部を再編集したものです。
大豆に含まれる「イソフラボン」が乳がんの発症を抑制する
日本ではいろいろな種類の豆が食べられていますが、いちばんメジャーなのは大豆でしょう。大豆は、豆そのものを食べるだけでなく、豆腐、味噌、醤油、納豆など、さまざまに加工されます。私が大好きな、ビールのお供である枝豆も大豆です。
大豆に含まれる「イソフラボン」という成分は、腸内細菌が持つβグルコシダーゼという酵素で分解され、アグリコンという化学物質を生みだします。このアグリコンが乳がんの発生を促進する女性ホルモン「エストロゲン」に対して拮抗的に作用し、乳がんの発症を抑制するという報告もされています。
その他、イソフラボンには抗酸化作用、腸内の悪玉菌を抑制して善玉菌を増やす実験結果も明らかになっています。「大豆を食べ過ぎると乳がんになる」と反対のことを言っていた時代もありますが、今ではむしろ女性に積極的に食べてほしい食材と言えます。