仕事のパフォーマンスを上げるにはどうすればいいのか。元陸上自衛官のぱやぱやくんは「日米合同演習で、自衛隊と比べて休憩や睡眠を取っている米軍は元気な状態が続くということがあった。日本ならではの『寝ずに頑張るのが偉い』という風潮を変え、しっかり睡眠を取ることが重要だ」という――。
※本稿は、ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)の一部を再編集したものです。
自衛官でも疲労と空腹と寝不足にはかなわない
陸上自衛隊の訓練では、「辛いときには本心が見える」とよく言われていました。普段は思いやりの気持ちを持って、仲間にやさしくできても、辛い状況になればなるほど、人は身勝手になります。
たとえば、重い器材の運搬を誰かに押しつけたり、勝手に休んでしまったりと、普段では考えられないような行動に走ってしまうのです。辛い状況では性悪説で考えたほうが人の行動を理解しやすくなるので、覚えておいてください。
陸上自衛隊の演習でも、辛い状況が続くと、どんなに人柄がいい人でも、どんなに温厚な人でも、つまらないことで怒り出したり、気配り上手な人が自己中心的になることもありました。
特に疲労と空腹と寝不足には要注意です。私が陸上自衛隊の訓練でもっとも辛かった状況は、「寒くて、お腹がへって、眠れず、雨に濡れている」ときでした。
辛いときは暖かくしてお腹いっぱい食べて寝る
私の仕えていた隊長で、食事と睡眠を特に大事にする人がいました。その隊長は、
「いいか! 訓練はあくまで訓練なんだ! 睡眠時間と食事を削って完璧な訓練をすることに意味はない。本当に大切なのは、有事の際におまえらが健康で万全の体勢でいることだ」
と言っていました。有事に備えるためには、たしかにこうした考え方も非常に大切です。
これらは自衛隊の話ですが、一般の人たちも日常生活から「しっかりとご飯を食べる」、そして「よく寝る」ことが大切だと思います。睡眠と食欲の時間は、気持ちよく仕事をするためにも、他人にやさしくするためにも必要なのです。だから、もし精神的に辛くなったら、暖かいところで、お腹いっぱい食べて、いっぱい寝よう、そして晴れた日に散歩しましょう。
そうすればきっと元気が出ますよ。