日本全体に浸透する「寝ずに頑張るのが偉い」

日米合同演習をすると、日米の特徴が顕著に現れます。米軍側はシフト制で休憩・睡眠を取るので、演習の最後でも比較的元気ですが、陸自側は寝不足で疲労困憊こんぱいということもあります。

ただ、これらは陸自だけの問題ではなく、日本全体として「寝ずに頑張るのが偉い」という風潮があるのが原因かと思います。「寝ずに頑張るのが偉い」というのは、「緊急性が高くて、代替要員がいない」というときにしか当てはまりません。

ただし、陸自としても米軍とは使えるリソースや戦術、それに加えて「十分な演習場がない」という環境的な制限もあるので、陸自がすべて悪いという問題ではないことは補足しておきます。

結局のところ、眠りこそが、長期的なストレスに対処できる手段なのです。ストレスと闘うためにも、「休まず働くのは偉い」という価値観はなくなってほしいものですね。

眠っている少女
写真=iStock.com/Image Source
※写真はイメージです

米軍が取り入れている3つの睡眠導入方法

すぐに寝ようと思っても、興奮して眠れないことはありませんか。ここでは眠れる方法などをいくつか紹介したいと思います。

まず、「認知シャッフル睡眠法」を紹介します。これは脈絡ないことをひたすらイメージしていく方法です。

「サバ、ねじ、ペンギン、門松……」

とランダムに想像すると、「脈絡ないし、もう寝てもいいか……」と脳が睡眠モードになるようです。「あいうえお」の順番で、「会津藩、アイス、あかずきん」などと考えていってもいいでしょう。

布団に入っても考えすぎてしまう人は試してみてください。

ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)
ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』(育鵬社)

米軍は睡眠導入の方法として、

「呼吸は6秒吐いて、3秒吸う」
「全身に力を入れて脱力する」
「海の上に漂うことを想像する」

ということを取り入れているようです。睡眠時間だけではなく、睡眠導入についてもぜひ意識してみてください。

また、寝るときに「あ〜、腹が立つ!」とイライラしたまま寝る「ふて寝」は、深層心理にいや〜な記憶が残るのでよくないそうです。寝る前の10分は、できるだけ1日の良いことを考えるようにしましょう。そして、起きるときは、「今日も最高の1日だ」と思ってみてください。就寝前や起床時に、深層心理にアプローチできると思います。ぜひ深層心理にあるネガティブな気持ちをやっつけてください。

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