セブンで舌が肥えた庶民が成城石井に目覚めた

セブン‐イレブンをよく利用する人に、高いけれどもセブンを利用する理由を聞くと「独自商品が好きだから」「セブン‐イレブンの食材のほうがおいしいから」と言います。セブンプレミアムを中心に独自のこだわりの商品が増えた結果です。

ちなみに親会社のローソンには悪いのですが、顧客目線で言うとセブン‐イレブンとローソン、ファミマは同じコンビニカテゴリでありながら徐々に違う業態になりつつあります。ローソン、ファミマが従来通りのコンビニ業から脱却できていない一方で、セブンは「手の届く贅沢」を提供できる「こだわり商品のお店」へと業態転換が進んでいます。

そしてセブンのおかげで舌が肥えた庶民が目をつけたのが同じ手に届く贅沢を提供してくれる成城石井だという流れができ始めた。これが私の認識です。セブンプレミアムもおいしいけれど、成城石井のこだわり商品はさらにワンランク上の「手の届く贅沢だ」と考える庶民が、高価格帯スーパーであるにもかかわらず成城石井のファンになる構造ができているのです。

コンビニで買い物をする女性
写真=iStock.com/AH86
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「セブンよりおいしい理由があるか」をチェック

では成城石井ではどのような商品を購入するのが良いのでしょうか。何を買ってもおいしいといえばおいしいのですが、それだとお財布が心配だというのがこの記事の前提です。経営コンサルタントとしてストレートに言えば「セブン‐イレブンよりもおいしい理由があるかどうか」をチェックポイントとするのがいいでしょう。経営学的に言えば差異化というのですが、成城石井がセブンとの差異を生んでいるメカニズムに注目するのです。具体的には3つの視点があります。

第一の視点は成城石井のそもそもの強みの原点に着眼することです。成城石井はもともとは成城学園近辺の富裕層を相手にした食品店として始まりました。果物、缶詰、菓子といった取扱品が原点だそうですが、最初のこだわり商品はワインだったようです。1970年代といえば日本人でワインを飲むのはグルメか富裕層だけだった時代でした。

そういった富裕層の顧客が同じ銘柄のワインでもフランスで飲むほうが日本よりもおいしいと指摘したことから成城石井のこだわりが始まるようです。これは今となってはあたりまえなのですが、ボトルワインはフランスからインド洋を経て日本に来る間に高い外気温で品質が変わってしまう。それで昭和の時代にワインの定温輸送を手掛けたというのが成城石井の差異化戦略の原点だったといいます。