通信制大学や専門学校の選択肢もある
奨学金を借りるのに抵抗があるなら、大学には行かず高卒で就職してもいいし起業してもいい。
即戦力となる技能が身に付く、もしくは公的資格が取得できる専門学校もあります。
大卒資格が欲しいなら安価な通信制大学もあります。入試のハードルも低くいつでも学習できますから、勉強したいという信念が本物ならこれでも大丈夫でしょう。
仮にそれで大企業に就職できなかったとしても、中小企業からスタートして実力をつければ、転職で大手有名企業に入ることは可能です(それが望ましいかどうかは別として)。
あるいは、たとえば防衛大学校や海上保安大学校、気象大学校などでは学費はタダでお給料までもらえます(こちらはある程度の学力が必要です)。
防大は将来の幹部自衛官を育成する全寮制の士官学校で、身分は国家公務員。学生生活はハードだそうで卒業後は原則任官ですが、国防に関心のある人は選択肢に入ると思います(漫画『あおざくら 防衛大学校物語』二階堂ヒカル著 参照)。
「大学を出ておかないといけない」は本当か?
いずれにしても、高学歴でも貧困に陥ったり職を失ったり、あるいは挫折して引きこもりになることもあるように、もはや大学に行きさえすれば人生が約束されるという時代ではなくなりました。
それにもかかわらず、世の中は「最低限、大学は出ておかないといけない」という固定観念に支配され過ぎている印象があります。
むろん、いわゆる難関大学と呼ばれる上位の高偏差値校に進学する人は基本的に優秀ですから、ある程度の成功や安定を手に入れやすい傾向があるのは事実です。
しかし私は、高学歴だから成功するというより「高学歴であることは、彼らの根源的な思考力の高さの副産物に過ぎない」と考えています。
「最低限、大学は出ておかないといけない」という考えのもと、学びたい内容や意欲が不明瞭なままに定員を割っているような大学、さほど勉強に熱心でなくても入れる大学、あまり勉強が得意でない人たちが通うような大学に、果たして奨学金を借りてまで進学する必要があるでしょうか。それこそ“なんとなく進学”となり、奨学金を返せずに苦しむことになりかねません。