2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年5月24日)
すぐに会社を辞める新入社員は、どんな不満を抱えているのか。産業医として年間1000件以上の面談をしている武神健之さんは「入社3年以内に辞める社員には2つの共通点がある」という――。
ニューノーマルの春に桜を見ている男性
写真=iStock.com/monzenmachi
※写真はイメージです

2020年の新入社員は「不完全燃焼」だった

今回は、入社数年以内の社員たちとの面談から見えてきた、入社から3年以内にいなくなってしまう社員について考えてみたいと思います。

コロナ禍の新入社員たちとの面談で多かった相談は、仕事量が多すぎて大変だとか、先輩たちが優しくないなど、ネガティブな内容ではありませんでした。むしろ、社会人1年目としてやる気満々な気持ちが、コロナ禍のため期待していたように満たされないという内容が多かったです。

・リモート勤務推奨のため、もっと会社に出社して仕事を覚えたいのに、出社させてもらえない。
・ちょっと先輩に確認したいことやわからないことがあった時、在宅勤務だと気軽に先輩に相談できない(から仕事がそこで止まってしまう)。
・楽しみにしていたアフターファイブなんてない。

社会人になるにあたって持っていた期待やエネルギーが不完全燃焼……。そんな声が多いのが印象的でした。

一人暮らしの部屋は、在宅勤務には狭すぎる

中には、切実な相談内容もありました。

社会人になり一人暮らしを始めたA君は、あえて会社の近くに住み仕事に没頭するつもりでした。寝るために帰るだけと思っていた一人暮らしの小さい部屋は、在宅勤務を続けるには狭すぎて、椅子や机等の家具もしょぼくて、この環境で一日中在宅勤務すると気分が暗くなってしまう。週末も同じ部屋で過ごしていると気分転換なんてできない(でもコロナのため外出が怖くてできない)という相談には、私も同情するしかありませんでした。

アフターコロナの時代が来れば、きっと彼らがもっと仕事や遊びに満足できる状況になるはずです。その時まで、頑張って欲しいと思います。