処方薬を飲むことで長生きするというデータはない

患者の話を聞かず、一方的に「薬を飲み続けよ」と言うような医師には、次のように言ってやりましょう。

「私がこの薬を飲み続けて、長生きできるデータはあるのですか?」

データなんてないはずです。にもかかわらず「動物実験ではこう」とか「海外の論文では」などと言うのなら、次はこう言ってあげましょう。

「日本では大規模な比較調査をやっているのですね?」

そもそも日本と欧米では、食生活も体格も違います。しかも日本人のほうが長生きです。それなのに動物実験や海外のデータを持ち出してくるのは、「臨床を知らない」と告白しているのと同じ。つまり患者を診ていないのです。

このような質問にタジタジになったり、怒りをあらわにしたりする医師なら、こっちから願い下げです。大事な体を預けるわけにはいきません。晩年に、地獄行きのバスに乗るようなものです。

聴診器を身に着けた医者
写真=iStock.com/AaronAmat
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待合室の雰囲気が明るいクリニックの医師を選ぼう

医師選びでは、医師との相性も大事になってきます。

80歳を迎える高齢者にとって、病院や医師はとても身近な存在です。診察の度に暗い気持ちになったり、気疲れしたりするような医師とは、つき合わないほうが賢明でしょう。相性がよくないのです。

病院との相性は、待合室に入った瞬間にもわかるものです。明るい感じがするなら、医師が患者さんときちんと向き合っている証拠です。反対に、どんよりと暗い感じがするなら、避けたほうが無難です。人生経験の豊富な、みなさんの感性が教えてくれているわけです。その直感を信じましょう。

病院は具合が悪いときに行く場所ですから、話をしていて気持ちがいいとか、真剣に話を聞き、応じてくれる医師のほうがいいに決まっています。

世間的な名医より、自分にとっての「明医」を見つけることが大切なのです。

「私の最期を看取ってほしい」と思えるようなら、相性は最高でしょう。