効果的に貯蓄を増やすにはどうすればいいのか。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんは「つい使いすぎてしまう人はお金を3つに分けるといい。面倒な口座管理は必要なく、お金がどんどん貯まる」という――。

※本稿は、山口京子『貯金ゼロから始める「新へそくり生活」のススメ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

台帳に記入する様子
写真=iStock.com/kazuma seki
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令和のへそくりは「3カ所に一斉に隠す」

昭和時代、へそくりはタンスの引き出しに隠すか貯金をしておくのが正解でした。寿命は短かったし、金利は高かったからです。しかし、今は昭和時代と同じへそくりのやり方では、あなたの寿命より先にお金の寿命が尽きてしまう可能性があります。お金の寿命を少しでも延ばせるように、へそくりをバージョンアップさせる必要があるのです。

そこで考えたのが、へそくりを1カ所に隠すのではなく、3つに分けて隠し、「せーの」で、3つ同時に貯めて増やす新しいへそくりの仕組みです。

私は、この新しいへそくりの仕組みを「新へそくり三分法」と名づけました。自分が持っているすべてのお金を「日常の生活費として使うお金」「近い将来使うお金」「将来のためのお金」の3つに振り分け、実際に使う時期まで、それぞれの使い道に合った安全で効果的な方法で貯めて増やしていく方法です。

3つに分けたお金を、便宜上、「使う」へそくり、「貯める」へそくり、「増やす」へそくりと呼んでおきましょう。使うへそくりは普通預金口座に、貯めるへそくりは定期預金口座に、そして増やすへそくりは世界中の株に投資します。

従来の貯蓄法は貯まるスピードも遅く時間がかかる

今までのお金の貯め方、増やし方の常識は、普通預金にお金が貯まったら定期預金に移し、定期預金がある程度貯まったら投資を始めましょう、というものでした。

しかし、これまでの、貯めてから増やす、一段一段階段を上がっていくステップ・バイ・ステップ方式では、必要なお金が実際に必要となる時期までに、なかなか貯まらないという状況になってきました。低成長が続いたことによって収入が思ったように伸びず、金利はほぼゼロになり、しかも寿命が延びたこと、この3つが主な原因です。

積み立て定期預金だけでは、お金が貯まるスピードがあまりに遅いので、必要な金額のお金をなかなか貯めることができず、退職間近になっても将来の不安を取り除くことはできないのです。それを解決するのが「新へそくり三分法」です。