「子どもの命と自分の命どちらも危機的です」

保育現場から毎日悲鳴に似た声が届けられます。

「保育所は三密を避けることができません」
「子どもの命と自分の命どちらも危機的です」
「『園を閉めるな!』と『なぜ閉めないのか!』と親から両方責められます」
「自治体の言うことが毎日変わり、対応できません」

本当に危機的な状況の中で現場の保育士やスタッフは、自分たちの命を賭して保育にあたっています。一つは子どもの命と育ちを守るためであり、またこの社会・経済の活動を止めないようにするためです。それらの使命感を持ち、日々の保育と目の前の子どもの育ちを支えています。

そのようなギリギリの状態の中、今回の2歳児のマスクについての対応は現場を無視したものであると思います。もちろん、コロナの感染流行をなんとかして防止したいという思いはよくわかります。しかし、その具体的な方法や取り組みがマスクの着用のみでは心もとないです。また、着用のリスクや子どもたちへの影響などについても、もう少し丁寧な検討や取り組みが必要であると思います。

子どもたちが生きる未来を左右するのは私たち大人

子どもたちの成長は日々の積み重ねの中でなされるものであり、後で取り返しがつかないものもあります。1日1日がかけがえのないものであり、保育士の仕事はその一瞬一瞬が真剣勝負なのです。保育の営みは未来に続くものです。

私たち大人は今の社会を生き、変化させることはできます。ただし未来を生きることはできません。そして子どもたちは未来を生きることはできますが、今の社会を変化させることはできません。未来を見据えて、子どもたちのために大人や社会ですること、できることを考えるタイミングではないでしょうか。

緊急時であるからこそ、今後の影響も含めた真剣な議論と、子どもたちの声をきき、子どもたちの生活に即した、取り組みが待たれます。

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