考え方のクセを知って「うっかりパワハラ」を防止
人には誰にでもその人なりの考え方のクセがあります。これを心理学の用語では「認知」と呼びます。楽観的な認知のクセがある人もいれば、どちらかといえば悲観的な認知の傾向がある人もいます。
たとえばCさんが悩まされている過干渉上司のDさんは、「部下は放っておくとサボるかもしれないから、しっかり管理しないといけない」「報告をしない部下は、言えないようなことをしている可能性がある」と物事を悪いほうに考える傾向がありました。
他人の考え方のクセを変えるのは容易ではありませんが、自分の考え方のクセは修正することが可能です。
自分の認知の傾向を知り、極端になりすぎないように心がけることで、人間関係のトラブルやストレスは大きく軽減することができます。とくにマネジメント職にある人は、認知を振り返り、いきすぎた管理をしていないか、自分の考え方のクセを部下に押し付けていないか、振り返る習慣を持つことは有用でしょう。とくにリモート下で限られたコミュニケーションしかできない状況では、考え方のクセは強調され、強化されて伝わってしまう傾向があります。放任主義の人はより放任に、こまかく管理したがる人は過干渉になりやすいのです。いじめるつもりがなくても、意図せずして「いじめる側」とならないように意識していきたいものです。
(構成=浦上藍子)